当寺院の墓地には、地域の歴史や信仰を感じられる場所が点在しています。
墓地の中を通り静かな坂道をのぼっていくと、やがて道が開けます。
まず、目に入るのは近年新たに建立された向月庵です。

お墓参りに訪れた方の休憩所として親しまれており、庵の中には徳島市在住の画家・飯原一夫氏による
阿波狸伝説に登場する狸たちを描いた作品が展示されています。
向月庵より奥に行くと、六右衛門狸の祠がございます。

六右衛門は、江戸時代末期にこの地域一帯を治めるタヌキの「総大将」と言われた存在です。
静かな雰囲気が漂うこの場所は、訪れる人々の心を落ち着かせ、どこか神聖な空気を感じさせますまた、地域の歴史と文化を今に伝える史跡として、多くの方々に親しまれています。

また、津田の墓地には、不思議な並び方をした5つの蛇口があります。
なぜこのような配置なのか、その理由はわかっていません。
ただ、真言密教では、宇宙のすべてを曼荼羅で表現します。
曼荼羅の中心には大日如来があり、周囲を5体の智慧の仏が囲んでいます。
もしかすると、この5つの蛇口も、そうした仏さまの姿を表しているのかもしれません。
蛇口から流れる水は、仏の智慧を私たちに届けてくれている――
そんなふうに感じることもできます。

墓地には、108段の石段もございます。
この「108」は人の煩悩の数にちなんだもので、一段一段と上がるごとに煩悩をひとつずつ手放していく
――そんな祈りの気持ちが込められています。

階段を登りきった先には心が洗われるような清らかな景色が広がっており、
多くの方がその静寂と眺望に癒されております。

当寺院の墓地では、住職による手厚い供養と法要を大切にし、皆さまの大切なご先祖様を心を込めてお祀りいたしております。

お墓についてご用命のある方は、
お気軽にお問い合わせください。

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